油(脂)を制するものは健康を制す!?(その3)

不飽和脂肪酸は植物油に多いと書きましたが、その中でも酸素と炭素の2重結合の非常に多い脂肪酸で

「エイコサペンタエン酸」

「ドコサヘキサエン酸」

というものがあります。

聞いたことありませんか?

「エイコサペンタエン酸」はEPA

「ドコサヘキサエン酸」はDHAです。

これはイワシなどの魚(青魚)に多く入っている脂肪酸で、健康にも良いとか頭が良くなるとかいろいろな情報で出ています。

では、なぜ健康に良いのか!?頭が良くなるのか!?

それは、これらの脂肪酸には融点が無いに等しいのです。ということは常に液体ですので、血液に入ってもサラサラなわけです。

脂肪酸は化学式の2重結合の場所によりn-○系というふうに分類されるのですが、EPAやDHAはn-3系と言う分類でして、このn-3系の脂肪酸は脳機能の維持に貢献する脂肪酸なんだそうです。

ある研究者が野菜をほとんど食べず、魚を主食としているグリーンランドに住むエスキモーの血液を調べたところ、このn-3系の脂肪酸が非常に多く、食事の7割程度が脂質なのに心臓病などの病気がほとんど無いということに着目し、EPAやDHAは体に良いということになっていったようです。

しかし、n-3系の脂肪酸を過剰に摂りすぎると、血が固まらなくなります。

サラサラすぎるんですね。

怪我をしても血が止まらないと困りもんです。

何事にも「適度に」がいいようです。

バランスとしては

飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸(一価):不飽和脂肪酸(多価)は

3:4:3の割合が良いようです。

でその中で多価不飽和のn-3系とn-6系の割合は

1:4>1:10 だそうです。多い方がn-6系、少ない方がn-3系です。

n-3系の代表選手が青魚系の油とすれば、n-6系の代表選手はリノール酸で、大豆油やサフラワー油などに多く入っています。

n-3系もn-6系も必要な油なのですが、現代の食生活ではほっておくとn-6系過多になりやすということです。

受田教授が言われるには、

「生活が荒んでくると食生活がダメになり、脳障害が起こりやすくなる」

と言うことです。

「風が吹けば桶屋が儲かる」よりは距離が近いかな。

生活が荒んでくると、インスタント系や炭水化物系、油(脂)を多く使った食事をすることが多くなり、その食事の中に含まれる油の質は飽和脂肪酸やn-6系の脂肪酸がおおくなります。相対的にn-3系の油をとることが少なくなるので、脳へのダメージが出てくる」

と言うことです。

最近EPAやDHAを含んだサプリメントも多く出回っています。

そういうものも必要に応じて摂取されたら良いかと思います。

しかし何でも「過多」はダメですよ!適度にです。血が止まらなくなりますよ!!

さて、油を調理で使う方は「酸化」でお困りのことも多いと思います。

油を使っているとどうしても酸化しますよね。

なぜ酸化するのかと言いますと、油には酸素と光と金属(鉄や銅)が大敵で、これがあることで酸化するのだそうです。

では、酸化しにくくする方法はといいますと、現実的には冷暗所に保存しなるべく光に当てない、くらいでしょうね。

金属については、動物性のものをあげると鉄分がはいっていますので、避けることは

出来ないですし、酸素はどこにでもありますし。

たいした解決方法では無いですね。みなさん普段もそうされているでしょうし。

いろいろとテキストに書かれた数値を見ていると、けっこう豚肉っていいな、と思っています。これはビタミンにも関係するところですが、豚肉侮れないぞ!です。

と言うことで、やっと次はビタミンです。

(写真のブリもEPAやDHAが多いようです。)